桜風涼(渡辺健一)の録音ノウハウ集

ZOOM F2-BTのドラマ撮影とインタビュー音声

wataken2003

ZOOM F2-BTを2台使ってドラマ撮影を行ったんだ。
撮影中は一度も音を聞かずに、どれだけ撮れるかと言う実験だ。

F2はインタビューで楽ちん

インタビューや一人喋りのYouTubeでは、音を確実かつクリアに録音したいよね。まぁ、弊社は映像制作会社を30年近くやっているので、長年のノウハウもあって、ディレクター兼カメラマンというワンマンオペレーションでインタビューというもの数多くやってきた。事故が多いやり方ではあるけど、そのノウハウとF2を比べてみるね。

ワンマンオペレーションのインタビュー収録でよくある事故は、

  • 演者がマイクに触ってしまったり、
  • 持っている紙の資料がバサバサと鳴ったり、
  • フリップボードを胸の前に立ててしまって音が変わってしまうこと

かな。
それから、マイクボリュームの設定に失敗してレベルオーバーと言うのは確かにあるんだけど、逆にいうと、ベテランになればなるほど、ここは気を遣って撮影前に十分に調整する。
でもね、これが結構なストレスで、演者の声質や声量で撮影中に変えなくちゃダメってケースが、そうだなぁ、全体の3割くらいあるんだな。つまり、レベル調整を撮影中にしていたのというのがこれまでのワンマンオペレーションのネックだったんだ。そして、ワンマンオペレーションでは、この途中でマイクボリュームが気になることで、インタビューの緊迫感が無くなったり、空気が変わったり、質問内容が面白く無くなったりする。

でも、この事故は、F2(-BT)なら考えなくて良いので、実に快適というか、ストレスにならない。実際に、今回のインタビューも、レベルに関するストレスは全くなかったので、自分で出演しながらインタビューということも、途中で気が散る(音が気になる)ことなしに、撮影ができたぞ。


前述のマイクに触るなどの事故は、まぁ、これは仕方ない。でも、これはマイクの音を聞いていないと気づきにくい。今回は、マイクの取り付け位置が触りにくい場所で、かつ、フリップを使っていなかったので、自分の中では無視していた。この辺りがベテランの割り切りかな。

F2付属マイクの無指向性は良し悪し

さて、もう少し専門的な分析をするね。F2に付属のマイクは、YouTubeでも解説しているので、そちらも参照していただきつつ、評価するとプロが使う最低限の音質はクリア。若干だけど軽い音(低音がやや鈍い)だけど、インタビューなら非常に聞きやすい。ドラマや映画でも聞きやすい声で使いやすい。

一方、感度が結構高めのマイクで、なおかつ無指向なので、周囲の音をかなり拾ってしまう。上にリンクしたYouTubeインタビューでは、前半戦は、2つのマイクを喋り手に応じて片方だけを編集で聞かせている(整音済みって奴)。後半戦は2つのマイクを両方とも活かしてある(レベル調整だけ)。多分、スマホやパソコンのスピーカーでは差が分からないと思うけど、ちゃんとしたヘッドホンだと、声に若干のエコーがかかっているのが分かるよ。複数マイクの同時使用でのエコー問題は、F2に限らず、全てのマイクで生じる。エコーを軽減するには単一指向性マイクを使ったり、演者の距離を十分に離す必要があるんだ。今回の距離感だと、エコーが入るのは仕方ない。

F2にプロ用マイクを使えるのか?

マイク性能の比較など

さて、上記の複数マイクのエコー問題を回避するには、マイクの種類を無指向性ではなく単一指向性に変えるのが定石。口元にマイクの指向性を向けて、声以外の音を下げるのだ。単一指向性マイクを使えば、周囲の雑踏などのノイズも下げることができる。サンプルで公開しているドラマでも、冒頭のシーンでは周囲の音が大きく入っているが、これも単一指向性マイクに帰ることで若干だが聞きやすい音にすることができる。

さて、ところが単一指向性マイク、つまりカーディオイドマイクは、実に少ない。しかも、プラグインパワーで使えるマイクは、まずない。
プロ用で幾つかあるけど、手に入るかなぁ。プラグインパワー用に改造が必要かもしれない。

ただ、実はピンマイクの中身って、松下製など一部の部品に限られていて、しかも、動作電圧は1〜10Vと幅が広い。なので、プラグインパワーに改造するのはそれほど難しくない。

それから、別メーカーのピンマイクであって、そのまま使えるものある。ゼンハイザーのステレオジャック形式のマイクのうち、最新のデジタル無線マイク「レボルーション」用は特殊で使えないけど、それ以外なら、そのまま使えるぞ。

などなど、他社のプロ用マイクは、自腹購入で色々と研究するので近日公開します。

ZOOM F2映画録音自主制作映画

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