桜風涼(渡辺健一)の録音ノウハウ集

ZOOM F2-BTだけで映画が撮れるか?

wataken2003
2021年1月17日

デュアルADコンバーター&32bitフロート録音のF2-BTはモノラル録音の超小型レコーダーだね。
Bluetooth接続でスマホから操作することができるほか、タイムコードシンクロも可能だ。

さて、これを使って映画を撮るにはどうしたら良いかと思案している。デュアルADコンバーター&32bitフロートの最大の利点は、マイクボリュームを調整することなく、マイクの性能を100%引き出して録音することができることだ。

もうちょっと言えば、これまでは撮影現場でマイクボリュームを操作して適切な音量で録音するのだが、デュアルADコンバーター&32bitフロートを使うと、マイクからの音をRAWデータとして記録して編集で適切な音量にするという作業にできる。
つまり、映画の撮影現場ではRAWデータとして記録することで、録音作業を簡略化することができるわけだ。

ちなみに、普通のレコーダーの場合、レンジ(良好な音で録れる最低音量と最大音量の幅)が狭いために、どうしても撮影時にマイクボリュームを調整しないと音質が低下してしまう。
この音質低下の原因は、実は小さな音で録ってしまうことで生じる。レベルオーバーも問題になるが、実は最近のレコーダーには高性能なリミッター(最大音量を超えた音を下げて音割れを回避する機能)で、使える音で録音できる。それゆえ、音のプロなら「汚い音だな」と気付かれるかもしれないが、普通の人には気付かれない程度の音質が保てるのだ。
ところが、レベル不足はさまざまな問題が起こる。1つはレコーダー自体が発する電気ノイズ(サーという音)で、レベル不足を補うために編集で音量を上げるとノイズも一緒に大きくなる。もう1つは、編集時にレベルを上げた時に起きる音の解像度割れで、先程の電気ノイズや環境ノイズを編集で抜くのが難しくなる。

デュアルADコンバーター&32bitフロートで高音質を保てる

さて、F2-BTを使うと、レベルオーバーはほぼ考えなくても大丈夫だ。つまり、リミッターで音を下げる時に生じる不自然な音質低下が生じない。また、レベル不足による解像度不足も、レコーダーの電気ノイズも考えなくてもいい。

つまり、撮影時には、何もせずただレコーダーで録音するだけで、最良な音質で録音することができるわけだ。

さて、この利点を映画で使うにはどうしたらいいか。問題は、F2-BTは役者に取り付けっぱなしなので、きちんと録音できているかが分からない。それゆえ、無線で音を送受信するものと併用するしかない。でも、幸いなことに、安価なBluetoothそう受信機がある。

もう1つは、録音のオンオフも手元でやるしかない。映画の場合には、頻繁にオンオフを繰り返さなければ習いのが、第一関門だ。この辺り、自主制作映画では、役者にも、これにご協力いただければ、かなりスムーズな撮影が可能になる。

というように、新時代の撮影のスキームを考えたいと思うのだ。

32bitフロート録音ZOOM F2映画録音自主制作映画

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